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森鴎外の『普請中』に登場する渡辺参事官には、作るべきものの姿が見えていただろう。引き寄せたいのは、印刷本がヨーロッパに育んだ、近代だ。設計図は、あの場所に確かにあった。
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――富田倫生▼(ひつじ書房『未発』5號より)
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……ページにせよ、サーバの機能にせよ、絶え間ない更新の努力が求められる。その意味では、森鴎外の『普請中』ではないが、サーバやサイトは、いつまでも完成することなく「工事中」が続くメディアである。
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――山田晴通▼
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……アイヴァン・モリス教授はModern Japanese Stories, edited by Ivan Morris, Tokyo, Tuttle, 1962の巻頭に、『普請中』の英訳を“Under Reconstruction”という題名で掲げている
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――平川祐弘「「普請中」の国日本」(『和魂洋才の系譜』)
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――『新コンサイス英和辞典』三省堂
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當【書庫】は、常に-既に普請中(Under Reconstruction)であります(單に作りかけとも云ふ)。
――編者謹白
- under deconstruction / under destruction(解体工事中)
ホームページでよくunder construction(工事中)という表示をよく見かけるが、これはその逆で、解体中という意味。
ページを削除するときには、この表示を掲げることが推奨されているが、それを実行しているホームページはまだ見たことがない。
哲学用語の deconstruction(脱構築)ともちょっと関係があり、ホームページを脱構築によって構築しているときや、古くなった思想・哲学関係のページを解体するときは、特にこの表示をしてから行なうことが望まれている。
Uchronia さん http://plaza7.mbn.or.jp/~uchronia/
以上は冗談のはずだが――